外来種のアリ、「アルゼンチンアリ」が日本で繁殖していることが問題になっています。
「アルゼンチンアリ」が日本に生息・繁殖することにどういった問題があるのでしょうか。
アルゼンチンアリとは?
日本の侵略的外来種ワースト100に指定されており、原産地は南アメリカで、日本には1993年頃から経路不明で侵入し、関東、東海、近畿、山陽で確認されています。
ちなみに、「日本の侵略的外来種ワースト100」とは、『日本の外来種の中でも特に生態系や人間活動への影響が大きい生物』として日本生態学会が定めたリストです。
何が問題なのか?
固有種のアリを襲撃して餌を奪うなど日本の在来種アリを駆逐したり、ミツバチの巣も侵略したりするため、従来の生態系を壊してしまいます。
また、人家に侵入してヒトにも噛みつくなど、凶暴なアリとしても知られており、農業害虫であるアブラムシやカイガラムシの甘い分泌物を受け取るために保護してしまうため、間接的に農業被害を誘発しています。
特徴
①動きが早い。
簡単に家屋に侵入したり、その機動力で日本の従来種アリを駆逐してしまいます。
②巣をどこにでも作る。
アスファルトの隙間などでも巣を作ります、また、頻繁に巣を移し、移動の際にトラックなど輸送機にくっつき、遠方まで拡大することができます。
③女王アリが複数いる。
複数の女王アリが巣の中に存在し、それぞれが卵を産むため、爆発的に増殖します。そのため、現在でも各地で増殖を続けている状況です。
※日本の在来種アリは、女王アリは1匹しかいません。
対策の現状
地域でも駆除活動が始まっており、たとえば大阪市住之江区では、環境省が薬剤を住民に配り、アリを駆除する薬剤を地域に設置し駆除する活動を行っているようです。
しかし、一度広がったアルゼンチンアリを駆除するのは根気がいるとのこと。
1箇所とか、1軒とか駆除しても効果がなく、地域全体で1年以上かけて駆除する必要があとのことです。
環境省は、生息域が広がる前の早めの対策が必要だとして、発見したらすぐ自治体に連絡するように自治体に求めています。
おわりに
外来種については、日本では『特定外来生物被害防止法(とくていがいらいせいぶつひがいぼうしほう)』と通称される法律が定められており、国や自治体が主体となって、駆除・防疫に努めています。
一見、生活に影響のないようなアリでさえ、色々問題があることが分かりました。
個人単位でできることは限られているかも知れませんが、日本の農林水産、生態系を守るためにもこういったことをまずは認識することからはじめるのも必要かもしれませんね。
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